家族法制の大改革2(親権に関するルールの見直し 条文に沿って解説2) |横浜で離婚を弁護士に相談なら|実績豊富な山本安志法律事務所

家族法制の大改革2(親権に関するルールの見直し 条文に沿って解説2)

「民法の一部を改正する法律(改正法)」が成立し,その大きな目玉は,離婚後の共同親権の導入です。(私は,離婚後の養育の在り方が多様化し,離婚後も父母双方が養育に協力関係が維持することが可能であることの実験だと思います)

 

婚姻中の共同親権の行使のルール

その理念は,

改正民法第818条に記載されている。

1 親権は,成年に達しない子について,その子の利益のために行使しなければならない。(第1項)

2 父母の婚姻中は,その双方を親権者とするものとすること。(第2項)

 

( 婚姻中は,双方が親権者,子の利益のために共同親権を行使する。あたりまえのことであるが,わざわざ,明文化し,離婚後も同様に共同親権の導入につなげた。)

 

改正民法第824条の2(父母双方が親権者である場合の親権の行使方法

 

1 親権は,父母が共同して行うものとすること。(原則)

 

2 父母は,その双方が親権者であるときであっても,監護及び教育に関する日常の行為に係わる親権の行使を単独ですることができる。

(例外として,監護及び教育に関する日常の行為は単独で親権行使ができることを明記した。こうしないと,収まらない。)

 

3 特定の事項に係わる親権の行使はについて,父母間に協議が整わない場合であっても子の利益のために必要があると認めるときは,家庭裁判所は,一方が単独ですることができる旨を定めることができる。(最終的には,家庭裁判所が決めてくれる。)

 

1 共同親権の場合は,父母が共同して行います。但し,父母の一方が親権をおこなうことができない場合は他方が行います。(原則)

 

2 例外として,つぎのような場合は,親権を単独行使ができます。

監護教育に関する日常の行為をするとき

具体的事例(日常の行為に当たる例)

 

ア 食事や服装の決定

イ 短期間の観光目的での旅行

ウ 心身に重大な影響を与えない医療行為の決定

エ 通常のワクチン接種

オ 習い事

カ 高校生の放課後のアルバイトの許可

 

具体的事例(日常の行為に当たらない例-共同行使)

ア こどもの転居

イ 進路に影響する進学先の決定(高校に進学せずに就職するなどの判断を含む)

ウ 心身に重大な影響を与える医療行為の決定

エ 財産の管理(預金口座の開設など)

 

こどもの利益のため急迫の事情があるとき

   父母の協議や家庭裁判所の決定を経ていては親権の行使が間に合わず,こどもの利益を害するおそれがある場合をいいます。

具体的事例

ア DVや虐待からの避難(こどもの転居も含む)する必要がある場合(被害直後に限りません。

 イ こどもに緊急の医療行為を受けさせる必要がある場合

 ウ 入学試験の結果発表後に入学手続きの期限が迫っているような場合

 

 親権行使者の指定

 父母が共同して親権を行うべき事項(急迫でない場面のこどもの転居や財産管理)について,父母の意見が対立するとき,家庭裁判所が当該事項のに係わる親権行使者を指定できます。

 

離婚又は認知の場合の親権に関するルール(大きく変更されました。)

改正民法819条

1 父母が協議上の離婚をするときは,その協議で,その双方又は一方を親権者と定めるものとすること(第1項)

(共同親権を導入し,単独親権も双方は協議離婚で定めることができるように改正した。)

 

2 裁判上の離婚の場合には,裁判所は,父母双方又は一方を親権者と定めるものとする。(第2項)(裁判上の離婚の場合も,共同親権か単独親権を定めることを明記した。この記載から,共同親権が原則ではないことも推測できる)

 

3 子の利益のため必要があると認めるときは,家庭裁判所は,子または親族の請求によって,親権者の変更ができるものとすること(6項)

 

共同親権か単独親権かを定めるルール

 

1 つぎの場合は,単独親権の定めをすること

(1)虐待のおそれがあると認められるとき

児童虐待防止等に関する法律では,こどもに対する4種類の虐待は,

1.児童の身体に外傷を生じ,又は,生じる恐れのある暴行を加えること

2.児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をす ること

3.児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置その児童他の保護者としての監護を著しく尾籠たること

4.児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと

と定義されています。

このような兆候があったら,まず,児童相談所に相談することかと思います。

 

(2)DVのおそれその他の事情により父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき

 殴る・蹴る等の身体的な暴力を伴う虐待・DVに限定されません。

また,これら場合以外にも,共同親権と定めることで,こどもの利益を害する

 

 

2 家庭裁判所が次の事情を考慮して定める

(1)父母とこどもの関係,

(2)父と母の関係

(3)その他一切の事情を考慮

3 まず,単独親権にすべき事情がないかを検討する。

 

4 共同親権と定めることで,こどもの利益に害する事情がないかを検討する。

この場合は,前記2で記載した父母とこどもの関係・父と母の関係・その他の事情から,共同親権でよいかを検討する。

この観点から,調査官調査が必要かもしれない。

 

5 共同親権でよいとなったら,それでいく。

 

6 共同親権ではこどもの利益を害する事情があれば,単独親権を主張する。

 

7 単独親権の場合は,従来の判断基準である

ア 母性優先の原則

イ 現状維持の原則

ウ こどもの意思の尊重

エ 兄弟姉妹不分離の尊重

などで,争っていくことになる。

 

8 共同親権がよいとなっても,共同親権では,監護や教育に関して,しっかり決めておく必要がある。(監護権に続く)

この記事の監修者

弁護士 山本 安志弁護士 (山本 安志所属)

YAMAMOTO YASUSHI

私は昭和50年に弁護士登録して51年目になります。弁護士歴としては、かなりベテランです。でも、まだ、年は74才で、まだまだ能力も経験も発展途上ではないかと思っています。当事務所は、毎日相談・夜間相談を定例化し、無料掲示板相談、無料電話相談、WEB相談など、いつでも、気軽に相談していただけるよう事務所体制を整え、皆様のご要望に答えていきたいと考えています。また、このような事務所特徴を積極的にHP等でアピールし、法律事務所選びの材料を相談者に提供していきたいと考えています。いつも明るく丁寧に、かつきびきびとした法律事務所をめざしていますので、よろしくお願いします。

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